抜け毛が減ると薄毛が治ると思っている人が多いが、実は抜け毛と薄毛には因果関係がないのです。
毛が抜けることと薄毛になるかどうかは相関関係があるように見えますが、ほとんどないのではないか!と思います。毛が抜けることと薄毛になるかどうかは別の問題だからです。
薄毛と抜け毛の相関関係とは
因果関係と相関関係の違いを説明します。
- 因果関係:Aと言う事象が起こればBと言う事象が起こる関係。AとBには因果関係があると言い、Aが起こらなけばBも起こらないと言う一方通行になります。
- 相関関係:Aと言う事象の変化がBと言う事象の変化に影響を及ぼす関係。AとBには相関関係があると言います。Bと言う事象の変化が必ずしもAと言う事象の変化が影響を及ぼしているわけではないのです。
例えば、日本人の抜け毛の本数は年間通して毎日一定数が抜けて生え変わっている訳ではありません。大まかには夏場から秋口にかけて抜ける本数が増えて、冬場から春先にかけて抜け毛が減ることが多いです。
この抜け毛の増減=夏場から秋口にかけては抜け毛が増えてボリウムダウンすることが多いです。反対に冬場から春先にかけては抜け毛が減ってボリウムアップすることが多いです。これが抜け毛の増減とボリウムに相関関係があると言えます。
薄毛になる時の抜け毛はどうなのか?
薄毛になる時に抜け毛が増えることが多いです。だから多くの人は抜け毛が増えたのが原因だから減らせば良いと簡単に考えてしまうのです。
では、薄毛になる時にどうして抜け毛が増えることが多いのでしょうか?それは、毛の成長期が変化してきていることが影響を及ぼしています。
毛の生え変わりのサイクルを見る
毛には「発毛期→成長期→退行期→脱毛期=>発毛期→成長期→退行期→脱毛期=>発毛期」と言うように生え変わるサイクルがあります。
正常な生え変わりをしている時は、脱毛期と発毛期の間には時間的な差があまりなく、次に生える毛に押し出されるように前の毛が抜けます。
薄毛になっていく時は、成長期が短くなっていくので退行期から脱毛期に至るまでの時間が長くなります。すると次に生える毛が生まれる前に成長期が終わっているので、成長期を早めに終えた毛が刺さっているだけになります。
薄毛になっていく時は、髪の毛をカットする期間が長くなっていくのを経験する人が多いと思います。それは成長期が短くなっていて成長しなくなっている毛が増えてくるからです。
ちなみに、毛が増えるようになり始めると成長期が正常に戻り始めるのでカットする期間が短くなっていきます。
刺さっているだけの毛が増え始めると言うことは、細くしか育たなくなった毛や成長期が短くなった毛が増えていると言うことでもあるのです。
シャンプーを変えるとか育毛剤を使用するとかで、頭皮の環境が変わると、刺さっているだけの毛一気に抜けます。通常の抜け毛と合わさるので抜け毛が急増して、残った毛は細くしか育たない毛と成長期が短くなった毛ばかりになるので薄毛になるのです。
薄毛の原因になっているのは、成長期が短くなっていることであって抜け毛ではないのです(成長期と薄毛には因果関係がある)。また、だれでも生え変わりをしているのですから、毛が抜けることが薄毛に影響を与えているとも言えなくはないので幾分かは関連性があると言えます。
こういう風に毛の生え変わりのサイクルと言う観点から、薄毛をみると抜け毛とは関連性が低く、因果関係もないことが分かります。
それもこれも、抜け毛とは何か?をちゃんと知らないから、薄毛を治すケア方法の良し悪しを間違っているとも言えます。
抜け毛の正体を知る為に、以下の書籍をご参照下さい。
■著者プロフィール
育毛相談サイト/webのセラピスト・カウンセラー
https://www.actyjapan.jp/concept/profile.html
育毛相談の現場で長年ご相談を承りケア方法を提供している実務家。
24年以上育毛相談の現場で事実や現実を見てお聞きしていると、世間一般に言われている常識の方がおかしいことに気づき、以来事実と現実に基づいた情報を発信し実務に基づいた育毛方法を提供している。